Q.     需要予測の特徴を教えてください。

  1. 箇条書き項目需要予測は日次の予測値を生成します。需要の平均と標準偏差を算出します。

以下のコーザルを考慮した需要予測を生成します。

  1. -売価(価格弾力性)、販促ラグ、チラシ、インプロ、曜日変動、祝祭日、季節指数、カニバリ、見切り処分数、イベント、ポイント、および売価・ポイント・休日祝祭日の交差要因を含む26種類のコーザル。オプションで気候(不快指数、降水量)を利用することも可能です。

  2. -カニバリ:同一分類内の他品の需要が大きくなるときに、当該品との需要が共食いされる場合、共食いの影響を考慮した予測値を生成します。

  3. -季節指数:季節指数と相関があるか自動判定し、相関がある商品については、季節指数の動向を考慮した予測値が生成されます。 

  4. -気候:気候データは、予報の精度が低いことと気象関係会社からデータを購入する必要があるため、標準では実装していませんが、データが入手可能であれば、他のコーザルと同様に利用することが可能です。ただし、予報データは普通1週間先までなので、それより先の期間の需要予測を行う際は、前年同日の実績データで代替します。


Q.     需要予測はどのような統計手法を用いていますか?

  1. 箇条書き項目多変量系列相関モデルという小売業の需要構造に適したモデルを用いています。

トレンド変動や循環変動があるデータに対して、複数のコーザルデータを扱うことのできる統計手法です。他にもコーザルを扱うことのできる手法として、重回帰分析がありますが、データの「標準的仮定」が満たされないと不要なコーザルが採用されて誤差の大きな予測値が生成されることがあります。当手法では、データの「標準的仮定」が満たされない状況でも、頑強で精度の高い予測値を生成します。

統計手法の特徴に関しては、当ホームページの需要予測のための統計手法のサイトをご参照ください。様々な手法の特徴と問題点を説明しています。


  1. Q.    季節性や急激な需要変動(増加)への対応をどのように行いますか?

  2. 箇条書き項目需要変動に応じて、基準在庫を一時的増加させることで欠品の発生を抑制します。

CPMは需要をトレンド変動(数週間のレンジで捉えた趨勢変化)と循環変動(直近の循環的な変動)とに分解して予測を行います。この特徴を利用して、以下の条件に合致したときは、一時的に基準在庫を増加させることで、欠品の発生を抑制します。

  1. 箇条書き項目季節性への対応

季節ピーク日が近づくにつれ、季節指数を作成した分類単位で最低在庫日数を自動的に増加させて、陳列ボリュームを増やします。

  1. 箇条書き項目需要の急激な変動および欠品発生時

循環変動(短期的な変動)がプラスに転じたとき、 以下のトレンド変動の状況に応じて、 最低在庫日数を自動的に増加させて、在庫を積み増し、需要の増加に備えます。

  1. トレンド変動がマイナスならば、需要が減少トレンドのときからの回復点とも予想されるので、最低在庫日数を+β1することで、在庫を若干増加させる。

  2. トレンド変動がプラスならば、需要が増加トレンドのときの強い上昇基調と予想されるので、財低在庫日数を+β2することで、在庫をさらに増加させる。


  3. Q.    需要予測にP I値を使わない理由は何ですか?

  4. 箇条書き項目CPMは、個々の商品需要に影響を与えるコーザルの関係を直接モデル化しています。PI値は、直接的なコーザルではないので、需要予測に用いる必要はありません。

  5. PI値は、商品の販売力を把握する指標として食品スーパー業界などよく利用されている指標です。以下のように販売数を客数で分解したものです。

販売数=販売数÷来客数×来客数=PI値×来客数

  1. PI値を使って販売予測をする場合を考えてみましょう。

  2. それにはまず、来客数を予測しなればなりません。来客数は様々なコーザルの影響で変化します。例えば、曜日、祝祭日、企画商品の件数、チラシの有無、年末などの季節性、等々、これらのコーザル変化の影響を考慮しないと精度の高い来客数予測はできません(こうしたことから、一般的には、来客数の予測を行うことは少なく、店長が経験的に外挿することが多いようです)。

  3. 次に、PI値もこれらコーザル変化に応じた数値を用意する必要があります。例えば、週末は客数が増えますが、販売数の方はあまり変わらないといった商品はいくらでもあるので、週末のPI値は平日のPI値よりも小さな値となったりもします。同様に特売をしたときの販売数は、客数の増加率以上に販売数が増加することが普通ですし、値引率によっても変わってくるので、特売時PI値を値引率ごとに用意する必要があります。このように、コーザルの状況に応じて、様々なPI値を用意しなくてはならなくなると、PI値の種類が飛躍的に増加し、管理が難しくなってしまいます。

  4. 結局のところ、PI値を使うということは、以下の通り、

  5. PI値を用いた販売予測
        =コーザルの影響を考慮して客数を予測
        ×コーザル状況に応じて算出されたPI値

  6. コーザルの影響を考慮した予測を客数とPI値に無理矢理分解して行っているにすぎません。無理矢理分解しているので、来客数の誤差とPI値の誤差とによる誤差のかけ算が起きてしまい、効率が悪いし、予測精度も逆に低下してしまう原因にもなります。商品の需要予想が目的なので、コーザルと需要との関係を直接モデル化すれば良いのです。


Q.     在庫管理のロジックを教えてください。

  1. 箇条書き項目在庫管理は、発注点・基準在庫方式を採用しています。

商品の経済発注サイクルの大きさに応じて、発注点方式から定期発注方式へ連続的に変化します。主として、販売数が数個以下の販売低位品には発注点方式、販売上位品には定期発注方式が適用されます。販売低位品は発注点方式が適用されるので、過度な多頻度発注から細か過ぎる発注と納品の発生を防ぐことができます。

  1. 箇条書き項目CPMは経済的基準在庫の一種である相対最適所要量方式で基準在庫を自動算出します。

以下の5つの要素を考慮して、売場利益を最大化する基準在庫の理論値を算出します。商品の需要の大きさ、販売期限、粗利の大きさ、原価の大きさ、商品サイズ

  1. 箇条書き項目仕入れ物流条件は、仕入先、店舗、分類、単品のメッシュで以下の項目を設定可能です。

発注日、納品可能日、納品LT(仕入先→DC, DC→店舗, 仕入先→店舗)、仕入先休日、センター休日、発注LT

  1. 箇条書き項目自動発注データは、向こう1週間の見込み発注を含めて生成します。

発注業務は、マーチャンダイジングの基幹業務です。システム障害が発生しても、発注を止めるわけにはいきません。CPM,は、毎日1週間先までの発注予定データを生成しますので、万が一当日システムがダウンしても、昨日生成した発注予定データを用いて、発注を行うことができます。


Q.     在庫回転率(または在庫日数)が一定になるような基準在庫で在庫管理をするのがよいと思うのですが、そのような管理はできますか?

  1. 箇条書き項目売れる商品は、在庫回転率が高いので、在庫を増やしてやれば、在庫回転率は低下しますが、欠品を減らすことができます。一方、売れない商品は、在庫回転率が低いので、在庫を減してやれば、在庫回転率は高まり、死に筋品の滞留を削減できます。つまり、売れる商品の在庫回転率は下がり、売れない商品の在庫回転率は上がるので、ある同一の在庫回転率に導けばうまくいくだろうと考えるわけです。考え方の方向性は、間違ってはいないと思いますが、現実はそんなに単純ではありません。CPMは、そのような考え方を踏まえながら、理論的により完全性の高い「経済的基準在庫」に基づき在庫管理を行います。「在庫回転率を同一にする在庫管理」にどのような誤りがあるかの説明については、こちらの資料をご参照ください。


  1. Q.    自動発注は季節性への対応が弱いと聞きますが、CPMシステムはどのような対策を講じていますか?

  2. 箇条書き項目類似地域のカテゴリー別季節指数を作成し、需要予測のコーザルとして利用します。季節指数の生成に当っては、週次の売上実績から異常値を取り除いてスムージングした上で、年間トレンドを除去して作成します。異常値を取り除くロジックを加えたことで、安定した指数が生成されるようになっています。ただし、ピーク時の需要が顕著な商品については、平均的な季節指数では対応しきれないため、本部送り込みとの併用が必要になります。


Q.     自動発注運用時の注意事項を教えてください。

  1. 箇条書き項目陳列の演出効果を発揮するために、以下の3つのパラメータを用いて、在庫量の調整が可能です。

最低在庫数:商品の最低陳列量を確保するために使用します。セットした値の在庫数が最低でも確保されるようになります。販売期限の大小によって分類別にデフォルト値をセットします。例えば、生菓子のように賞味期限が極端に短いの商品については1個にセットします。グロッサリのように販売期限の長い商品は、2〜3個にセットすればよいでしょう。

最低在庫日数:商品のボリューム感を出すためにセットします。セットした値の日数分だけ余分に在庫が保有されるようになります。上記の同様に販売期限の大小によって分類別にデフォルト値をセットします。理由で、通常は1をセットします。

販売期限(LCP):商品の販売期限をセットします。商品マスターに現在登録してある販売期限のデータがあれば、それを利用します。例えば、牛乳などの日配品について2日から4日、グロッサリについては、5日〜90日くらいをセットすれば上手く運用できます。試験稼働中に適当な値になるよう調整します。

  1. 箇条書き項目特売時の安全在庫の調整が可能です。

特売時は、需要予測が大きくなるため、売れ残って損失が発生するリスクが高くなります。そのため、特売時の安全在庫は、特売最終日に向けて売り減らしを行い、通常売価の在庫水準にスムーズに移行できるよう自動調整を行います。

  1. 箇条書き項目特売発注の前倒し発注期間の設定が可能です。

特売発注は、開始日の何日前に発注するか、納品は開始日の何日前かあらかじめ決める必要があります。特に定めない場合は、通常の発注・納品サイクルで発注されます。


Q.     棚割りデータは必要ですか?

  1. 箇条書き項目店別棚割りを利用することを推奨しています。

棚割りデータがなくても、自動発注を行うことは可能ですが、 棚割りデータをCPMと連携することで、本部における在庫管理能力が高まります。フェース数を割らないように自動発注を行うなどの演出効果を考慮した制御が容易になります。また、棚入れ日や棚落ち日を指定することで、棚入れ日に間に合うよう初回発注を行ったり、棚落ち日に向けて基準在庫を自動的に抑制して発注を停止したりできるようになります。


Q.     必要データを教えてください。

  1. 箇条書き項目1年分のPOSデータと商品計画データが必要です。

  2. -POSデータは、見切り販売データと正規販売データ(特売は正規販売データです)とを分離する必要があります。

  3. -1年分のPOSデータを用いて季節指数を算出します。

  4. -見切り販売は、値下げをして販売するわけですが、賞味期限切れになりそうな商品なので、同じ値下げ販売でも、正規の特売とは売れ行きが全く異なります。このため、見切り販売デートと正規販売データを分離し、価格弾力性が正確に求められるようにします。また、副次的に、見切りロス、廃棄ロス、(返品)の測定が可能になります。

  5. -商品計画データは、過去に行われた特売などの企画販売を把握するために使用します。 

  6. 箇条書き項目商品サイズ情報を登録すれば、売場生産性情報の計算ができるようになります。

  7. 箇条書き項目気候データを利用する場合は、別途入手する必要があります。


Q.     在庫データは必要ですか?

  1. 箇条書き項目棚卸し実績のデータが必要です。

棚卸し実績を取り込んだ後は、CPM側で、販売、仕入れ、移動、廃棄、返品などの実績データを用いて、棚卸し日を起点にした受払計算を毎日行い、在庫の計算をします。過去のさかのぼって実績の入れ替えが発生した場合でも、常に正確な在庫に洗い替えされます。


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