三田洋幸の考えごと
三田洋幸の考えごと
小売業の収益構造は、基本的にロングテールに依存しています。ロングテールとは、いわゆる売上ABC分析におけるCランク品のことです。Cランク品の裾野の広さはさまざまですが、商品を売上の大きいものから順に並べ、売上累計を100%の下位20%程度の商品のことを指します。なぜ、ロングテールに依存しているかというと、多くの小売業の営業利益率が3%前後である実態に鑑みると、実は、A, Bランク品だけでは、営業利益を黒字にすることができないからです。Cランク品の利益を加えることで、辛うじて営業利益を確保しているのが一般的な小売業の収益構造なのです。品揃えを豊富にしてこそ集客できるわけですから、Cランク品の利益貢献のインパクトが大きいことは、捨てたものでもないわけです。
しかし、Cランク品には、厄介な面もあります。それは、在庫リスクです。A, Bランク品は、回転が速いので、在庫をかなりたくさん保有しても、短期間に売りさばいていくことができますが、Cランク品は、回転が遅いので、一旦過剰在庫を抱えると、売りさばくことが非常に困難になります。棚替えのときに、Cランク品の返品がたくさん発生している場合は、在庫管理レベルを改善する必要があります。メーカーにそれだけ負担を強いているわけで、どこかで帳尻合わせをされているはずです。
Cランク品は、全品目の半分を占めるほど品目数が多いので、一つ一つ販売動向をチェックしながら、発注を調整するのは大変な作業でしょう。自動発注システムによる制御が有効な分野と考えることができます。ところが、世の中の自動発注システムは、この辺の制御をきちんと考慮しているものはあまりありません。発注点を割ったら、1ロット発注がかかってしまい、かえってCランク品の過剰在庫が増えてしまうことも珍しくありません。自動発注システムの導入を検討されているならば、この点も十分に評価する必要があるでしょう。
ロングテールとリスク在庫
11/09/27